生命の強さを感じさせる
エレファントレザー
エレファントレザー(象革)とは、牛や豚などの家畜動物ではなく希少価値の高い動物の革を指すエキゾチックレザーの一種です。エキゾチックレザーは他にもパイソン、クロコダイル、リザード、スティングレー(ガルーシャ)などがありますが、中でもエレファントレザーは厳しい輸入制限が設けられており、希少価値が特に高いです。古来ヨーロッパで王侯貴族のシンボルとされ、持つ者に幸福をもたらすとして高く珍重されてきました。摩擦に強く耐久性に優れており、コシのある質感と独特の手触りが魅力的です。ベロアのような起毛感がありますが、使い続けるうちに落ち着きツヤが出て経年変化をお楽しみ頂けます。
エレファントレザーの特徴
一般的に流通している牛革や豚革等の家畜から供給される皮革に対し、希少価値の高い動物の革をエキゾチックレザーと呼びます。象革は鼻、耳、ボディと部位により特徴が異なりますが、全てに共通する魅力は起毛させたような独特の質感と耐久性の高さです。表面は細かいビーズが集まったような外見で、使う程に表面に艶が現れます。他の天然皮革よりも摩擦や水濡れに強く天候も気にせず使えるので、エキゾチックレザー初心者の方にもおすすめです。
エレファントレザーの原産地
エレファントレザーの主要な原産地は南アフリカ諸国です。しかし象牙や象革を取るために乱獲されたのち絶滅寸前まで個体数が減少した歴史があるので、ワシントン条約により輸出入する国や輸入量が厳しく制限されています。なので他の皮革に比べ市場に出回る量が極端に少ない革といえます。
現在流通しているエレファントレザーのアイテムは、ほとんど南アフリカの諸外国から輸入された象革を使用し国内の職人が作り上げています。革の特徴である高い耐久性に加え、日本の職人が手間暇を掛けて作り上げているものが多いため、ひとつひとつのアイテムは高価になってしまいますが、そのぶん高品質で長くお使い頂けるものになります。
エレファントレザーのメンテナンス
保湿などのケアは必要なく、定期的なメンテナンスは週に1回程度、皮膚のシワやステッチ(縫い目)のすきまに入ったホコリやちりをブラッシングで掻き出す程度で十分です。毎日手に触れて使うことでベロアのような起毛感が落ち着き、隆起している部分にツヤが出てきて特有のエイジングを楽しんで頂けます。
エレファントレザーが水に濡れてしまったら
細かく隆起しているため空気のすきまができるので、濡れてすぐに水が入り込んでしみになるということはありません。濡れてしまった状態で長時間放置してしまうとカビの原因になりますので、できるだけ速やかに乾いた布で拭き、陰干しで乾燥させてお使いください。
エレファントレザーの色移りについて
乾いた状態で布にこすれるのは問題ございませんが、赤や青など濃い染色がされた革については、濡れた状態でこすると色落ちしてしまうことがございます。濡れてしまった場合は陰干しで十分乾かしてからご使用ください。